歯が抜けてしまったら

歯が抜けた後のリスクについて

歯が抜けてしまった後にできた隙間を放っておくと、様々な弊害が出始めます。特に奥歯は目立たないからと放置してしまう方が多いのですが、これは大変危険です。一体どんな不具合が発生してしまうのでしょうか。

1発音がしづらくなる

わずか一本奥歯がないだけでも、話す時に息が漏れて発音しにくくなります。また舌が当たる位置や顔の筋肉が変わることで、本人はいつも通りに話しているつもりでも、相手が聞き取りにくいということもあります。

2顔が歪みやすくなる

歯を失うと咬む力が衰えるため、左右咬みやすい方で咬む癖がついてしまいます。これによって顔の筋肉の発達具合が変わり、 咬まない方側はどうしても筋肉が衰えてしまうので、顔のバランスに左右差が生じ歪んで見えてしまうのです。

3咬み合わせがおかしくなる

口は、上下の歯が咬み合うことによって機能しています。抜けたままの歯を放置しておくと、その下にある歯が抜けたあとの隙間へと伸びてきてしまいます。もしくは骨ごと変わってしまうリスクもあります。そうなると、いざ入れ歯を作ろうと思った時にスペースが不足しているということにもなりかねません。抜けた歯、抜けた部分の修復はなるべく早く行いましょう。

4消化器官の負担になる

特に、奥歯はたとえ1本でもなくなると、咬む力が30%から40%も低下すると言われています。そのため咬む力が弱くなり、食べ物をしっかりと咬めないまま飲み込んでしまうことが多くなるため、胃腸などの消化器官への負担が大きなってしまうのです。

奥歯が抜けたら部分入れ歯を

入れ歯抜けてしまった歯を補う方法としては、部分入れ歯とブリッジがあります。しかし、デンタルオフィス相模原では、できるだけ入れ歯をおすすめめしています。その理由は主に以下の3つです。

1隣の歯を削らなくて済む

ブリッジをする場合、なくなった歯の両隣にある健康な歯を削らなければなりません。ブリッジをバネで固定するためです。部分入れ歯であれば、両隣の歯にクラスプ(金属のバネ)を使って固定するので、歯を削る必要は全くありません。

2保険診療だと銀歯になる

保険診療内のブリッジには、いくつかのルールがあります。特に奥歯のブリッジを製作する場合、材料は銀歯を連結させた修復物と決まっています。いくら奥歯とはいえ、銀歯ですと大きく口を開けた時に目立つってしまいます。保険診療を前提に治療方法を検討される場合は、部分入れ歯を固定するバネの方が、銀歯ほどは目立ちませんので検討されてみてください。

3ブリッジ治療でも自費診療になることがある

本来であれば両隣の歯を土台にするブリッジですが、一番奥の歯の場合ですと片方側にしかブリッジをかける歯がありません。そこで、一番奥の歯をなくしてしまった場合は「延長ブリッジ」という方法を取ります。これは一番奥の歯を支えるために手前にある2本の歯を連続で削って支えとする方法です。しかし、延長ブリッジはどうしても支えとなる歯への負担が大きくなりますし、手前2本の歯の状態によっては、延長ブリッジができないこともあります。
銀歯より硬い素材を用いて延長ブリッジを施す場合もありますが、銀歯以外の素材を使うと自費診療になってしまいます。
料金の目安は、抜けた歯が1本の場合なら銀歯のもので約1万円、自費診療になると素材によってまちまちですが1本約5〜12万円です。

部分入れ歯とブリッジの比較

違いとは?抜けてしまった歯の治療方法として、まず提案されるのが「入れ歯」と「ブリッジ」です。どちらにしていいか、自分にとってどちらが合っているのか、迷う方も置いのではないでしょうか。

入れ歯とブリッジの費用や治療期間、施術後のお手入れ方法など、気になる違いをご紹介します。

部分入れ歯 ブリッジ
治療方法 バネで固定する 隣の歯を削る
咬む力 元の歯の約30〜40% 元の歯の約60%
顎の骨 痩せていく 痩せていくことはない
治療期間 約2〜5週間 約1~2週間
費用 保険診療 約5000円~
自費診療 約5〜25万円
保険診療 約3万円
自費診療 約15~30万円
耐用年数 約4〜5年 約8年
お手入れ 取り外して手入れできる 取り外して手入れできない
対応本数 制限なし 少数のみ
奥歯治療 一番奥の歯も処置可能 一番奥の歯は処置不可能

1治療方法

部分入れ歯はバネで固定します。
ブリッジは固定するために抜けた歯の両側の歯を削る必要があります。両隣の歯が健康な歯であっても削る必要があるため、大きな負担になってしまうのは否めません。

咬む力

治療後、食事等での咬む力はどう変化するのでしょうか。元の天然歯の咬む力を100%とすると、部分入れ歯は元の歯の約30〜40%。ブリッジは元の歯の約60%を目安として考えればいいでしょう。
これは、入れ歯だと修復するのが失なった部分の歯のみ1点で咬む力を出さなければならないのに対し、ブリッジは失った歯が1本であっても、歯にかかる圧を、連結した3本の歯で受けることになるためです。治療後の咬む力でいえば、ブリッジのほうが強いです。

3顎の骨

歯を失ってしまった際に考えねばならないのが、顎の骨が次第に痩せていく「骨吸収」です。通常、咬む力は顎の骨に頼っていることが多いため、あるいは歯周病の進行も主な原因になります。それに加えて、歯を失ってそのままにしていること自体も骨吸収の原因になるのです。部分入れ歯の場合、床の部分は粘膜と骨で咬む力を受け止めるため、次第にが痩せてしまうということも起こります。骨吸収をできるだけ防止し、周囲の健康な歯へ負担をかけないように心がけましょう。

治療期間

治療期間は部分入れ歯が約2〜5週間、ブリッジは約1~2週間です。

費用

どちらも保険が適用されますが、使用する材料によって保険適応外となり、費用がプラスされます。部分入れ歯は、人工歯の部分や歯茎にあたる義歯床の素材や、クラスプ(金属のバネ)をさらに良質な素材にしたい場合などは保険が適応されない自由診療となります。ブリッジは天然歯に近い素材で歯冠部分の人工歯をつくる場合、保険適応外となります。

耐用年数

耐用年数は部分入れ歯が約4〜5年、ブリッジが約8年と言われますが、これは参考程度と理解されてください。その方の口腔内の状況やメンテナンス、お手入れのやり方によってもだいぶ異なってきます。どちらにしても、数年に一度メンテナンスは必要です。

部分入れ歯は、どんなにピッタリに仕上げても、毎日の取り外しや口腔状況の変化によって、どうしても合わなくなってしまいます。やがて「付けていると痛いから」と外したままにしている方がままいらっしゃいますが、そうすると、残された歯に悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。つけ心地が気になるようになったら、できるだけ早めに受診して、調整を試みましょう。

お手入れ

部分入れ歯は簡単に取り外しができるため、装置を取り外して清掃しやすいのが利点です。失った部分の両側の歯も掃除しやすいので、患者様自身の努力で口腔内をいつも清潔に保てます。

ブリッジは、入れ歯のように外してお手入れすることができません。気付かないうちにブリッジの内部で虫歯や歯周病が進行していることがありますので、要注意です。数年に一度定期検診でブリッジを外して、内部や咬み合わせに問題がないか診てもらうことをおすすめします。特に初回のメンテナンスは2年以内に受けましょう。

対応本数

失った歯が何本であろうと処置できるのも入れ歯のメリットと言えるでしょう。ブリッジの適応は「少数歯欠損」といって、欠損している歯が多いと対応できません。力学的に両側の支える歯への負担が大きくなりすぎるためです。また長期の安定も望めないかもしれません。

奥歯治療

同時に、ブリッジは一番奥の歯の修復には対応できません。一般的に両隣での支えを必要とするブリッジですが、奥歯だと支えが片側だけになってしまうためです。部分入れ歯は失った歯の手前の歯にクラスプをかけて固定できるので、一番奥の歯であっても対応可能です。

10保証期間

保険適応でブリッジ治療した場合は、「補綴物維持管理料」が治療費に含まれています。これはブリッジが破損した場合や、虫歯の治療が必要になった場合などに適用される治療費ですが、2年以内が条件です。ただし、補綴物維持管理料を取っていない場合や保険適応外のブリッジの場合、また年齢が6歳以下の場合や在宅医療の場合など、対象外の場合もあるので注意が必要です。