部分入れ歯について

部分入れ歯と差し歯 

違いとは?残っている歯の根っこを土台にして、その上に歯の代わりとなる被せ物を接着するのが差し歯です。
根っこまでなくなった歯を治療する方法の1つが、部分入れ歯です。

部分入れ歯とは

説明虫歯や歯周病のほか、突然の事故で歯を根っこまで失ってしまったときに、用いるのが、部分入れ歯です。入れ歯を固定するには、存在する歯にバネをかける必要がありますが、取り外しできるのが特徴です。

メリット

費用の負担が少ない

 材料によっては保険適用外となることもありますが、一般的に部分入れ歯は保険診療です。保険診療の場合は5000円~1万3000円ほどで治療できます。自費診療の場合は使う材料によって料金は違い、10万円~50万円ほど。入れ歯の種類や治療本数、歯科医院によっても異なります。

治療期間が短い

作製から完成までは約2~5週間が目安。型採りをした後、かみ合わせを確認し、完成です。使っていくうちに不具合があれば、その都度調節が必要となります。

調整が楽

施術後に痛みが出るとすれば、部分入れ歯の緩みやキツさが原因となっていることがほとんどです。どちらも歯医者で入れ歯を調整すればすぐに解決します。

衛生的で扱いも楽

入れ歯は外すことができるため、付着した汚れは自分で確認でき、専用のブラシで簡単に落とせます。殺菌効果がある入れ歯洗浄剤など商品も豊富にあるため、一般的な手入れで十分に清潔な状態を保てます。

半永久的に使える

きちんとメンテナンスすれば、隣りの歯を失ったりしない限りは使い続けられます。ただし、人の歯茎の状態は加齢とともに変化するもの。メンテナンスや調整を繰り返しても入れ歯が合わない場合、作り変えが必要となります。

デメリット

慣れるのに時間がかかる

面積が大きく、直接歯茎に触れる部分入れ歯の場合は、違和感を感じやすい傾向にあります。特に保険が適用される一般的なものほど、慣れるまでに時間がかかることが多いと言えます。

見た目に目立つ

部分入れ歯は「クラスプ」という金属製のバネで固定されています。隣り合った歯のくびれ部分に引っ掛けて使用するため、銀色のバネが目立ってしまうことがあります。

定期的なメンテナンスが必須

着脱を繰り返すとどうしてもバネの緩みが生じるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。加齢に伴い歯茎が痩せると、義歯床との間にズレが生じる場合もあります。

差し歯とは

説明残っている歯の根っこを生かした処置が差し歯です。残っている歯または歯根の上に、歯の代わりにつける被せ物のことを言います。接着させるため取り外しできませんが、他の歯を利用して固定することはありません。

メリット

すぐに慣れる

元からあった歯の根っこを生かした処置のため、施術後も違和感はほとんどありません。

見た目が目立たない

歯全体を歯科材料で人工的に作って根っこの土台に被せるため、見た目は天然歯と変わらず、目立つようなことはありません。

定期的なメンテナンスは不要

外れてしまうなど、よほどのことがない限り、メンテナンスや調整は必要ありません。

半永久的に使える

きちんとメンテナンスすれば、半永久的に使えます。しかし人工歯でも、被せている差し歯の内部には天然歯があるため、境目から虫歯になる恐れがあります。人工歯の内部で虫歯が進行してしまうと、歯冠が外れてしまったり、神経を抜くなどの処置が必要になり、そうなると治療や人工歯のやり変えを行うこともあります。

デメリット

治療できないケースがある

根っこにヒビが入っているときなど、状態によっては治療できないケースもあります。虫歯がひどく進行しているなど、歯を大きく削る必要がある場合は、根っこが割れる可能性が高まります。割れてしまうと、土台が立てられませんので、根っこを抜く処置をすることがほとんどです。

費用の負担が若干大きい

種類や歯科医院によって差があるため一概には言えませんが、保険診療の場合は1本あたり3000円~1万円、自費診療の場合は1本あたり4万円~20万円ほどです。

施術後のトラブルに注意

被せ物が取れたり、その一部が欠けたり、根っこが割れたりといったトラブルが発生することがあります。その場合は、程度によっては装着した被せ物をはずして、内部を確認します。抜歯や状態に合わせた被せ物の作り直しなど、その後の処置はさまざまです。

虫歯ができやすくなる

差し歯の境目は、虫歯が発生しやすい要注意スポットです。残っている根っこを使用しているため、歯と歯茎の境目に注意して、より丁寧に磨かなくてはなりません。

保険診療だと見た目がやや目立つことも

保険適用内だと、被せ物が銀歯になります。その場合、前から4番目から7(8)番目の小臼歯、大臼歯と言われる部分の歯が銀色になってしまうので、見た目がやや悪いことは否めません。自費診療の場合は被せ物の素材がセラミックなどになり見た目はキレイになります。

他の歯に負担をかけないマグネットデンチャー

笑顔ここまで部分入れ歯と差し歯の違いについて、ご説明してきました。部分入れ歯は歯の根っこが残っていないと処置できない、差し歯は部分入れ歯と違い隣の歯に負荷がかかることがないことが分かっていただけたかと思います。

しかし同じ入れ歯でも「マグネットデンチャー」と呼ばれる磁石式入れ歯なら、他の部分入れ歯と違いクラスプ(金具)を使いません。磁石ですので、簡単に取り外しができます。付着した汚れも自分で洗えて、隣の歯への負担もかからない、差し歯と入れ歯のメリットを両方兼ね備えた入れ歯だと言えます。

磁力で固定する部分入れ歯

部分入れ歯は通常、両側に残っている歯にクラスプ(金具)と呼ばれるバネをかけて固定します。バネをかける両隣の歯に負担がかかりますし、着脱を繰り返すうちに入れ歯が合わなくなってしまうなど不具合も生じやすいのが短所でした。部分入れ歯を磁力で固定する「マグネットデンチャー」は、クラスプがありません。入れ歯と歯茎を強い磁力でピッタリと密着し安定させるため、隣の歯に負担をかけることもありません。

歯の根っこかインプラントが必要

マグネットデンチャーは、歯の根っこの上に被せるように「磁性金属」(磁石にくっつく性質をもつ金属)を装着しますので、歯の根っこが残っていることが必須条件です。抜け落ちてしまった歯には処置できません。しかし、根っこがなくとも、インプラントを併用することで処置できるようになります。接する入れ歯にも、とても小さな超小型磁石を埋め込みます。2つの磁石のみでによってしっかりと固定されるので、見た目が自然なのもメリットです。

安定感抜群で取り外しも簡単

バネの支えがなくても、歯茎の中に埋め込まれた金属と、入れ歯に埋め込まれた磁石でしっかりと固定しずれにくいという特徴があります。従来の部分入れ歯と同じように取り外しも簡単で、お手入れがしやすいのも優れた特徴です。歯磨きの際や付着した汚れが気になった際は、取り外してキレイにできます。きちんと清掃をすれば汚れが溜まることもないので、口の中を清潔に保つことができます。

自費診療のため費用が不安?

マグネットデンチャーは保険が適用されないため、自費診療となります。そのため、通常の入れ歯にかかる費用に加えて、2つの磁石の料金と、埋め込む際の施術費用がかかります。症例によっては、これまで使っていたバネ式の部分入れ歯を利用して、磁石を埋め込める場合もあります。施術や費用に関してはお気軽にご相談ください。

磁気は体に影響しない?

MRIやレントゲンなどの検査の際には外さなければなりません。マグネットデンチャーの磁石の磁気が、ペースメーカーを使用している人に影響はないのかと質問されることがありますが、磁気が口の外に漏れることはありません。周囲に迷惑をかけるといったことはありませんので、安心してご使用いただけます。例外が金属アレルギーをお持ちの方です。デンタルオフィス相模原では金属アレルギーをお持ちの方に対応できる、ノンスクラプデンチャーも取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。

デンタルオフィス相模原では、保険診療から自費診療まで幅広く対応しています。今のお口の中で気になることがありましたら、お気軽にお問合せください。