インプラント、入れ歯、ブリッジの違い

インプラントと入れ歯とブリッジの違いを比較!

治療方法を選ぶ前に知っておきたい20のこと

説明皆さんは「インプラント」という言葉をご存知でしょうか。さまざまな歯の病気や怪我などで歯がなくなった時、残っている歯にバネを掛けて抜けた部分に取り外しのできる人工歯を入れる「入れ歯」、両隣の歯を利用して抜けている部分を橋渡しする「ブリッジ」といった治療方法を選ぶのが、今までの通例でした。

こうした従来の治療方法に加え、歯が健康だったときのように、もっと硬いものが食べたい、もう少し自然に発音できるようになりたい、口元の見た目を以前と同じにしたいといった、現在の健康志向のニーズに応えて誕生したのが「インプラント」です。インプラントの根本的な発想は、抜けてしまった歯に再び丈夫な人工歯を植え直すというものです。

画期的と言える治療方法ですが、いくつかの注意点もあります。インプラントと入れ歯とブリッジ、どれにするか悩む方は大変多くいらっしゃいます。インプラント、入れ歯、ブリッジの違いをご紹介すると共に、それぞれの注意点も含め、まとめています。治療方法を検討中の方は、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。

インプラント派?入れ歯派?ブリッジ派?それぞれのメリットとデメリットを一挙紹介

インプラントと入れ歯とブリッジ、いずれもメリットとデメリットがあります。安易な選択は、トラブルや後悔の元となり大変危険です。治療方法を選ぶ前に、それぞれの治療方法を正しく理解しておきましょう。

インプラント、入れ歯、ブリッジの違いは? 知っておきたい20のポイント

インプラント 入れ歯 ブリッジ
外科処置(手術) あり なし なし
顎の骨の健康 とても重要 重要 重要
疾患がある方 治療できない場合も 金属アレルギーの方は要注意 金属アレルギーの方は要注意
治療期間 3カ月~1年 約1~2カ月 約3~7日
治療費用 約30~50万円 約5千円~1万5千円(自費診療の場合は約15~60万円) 約3万円(自費診療の場合は約15~30万円)
お手入れ 歯ブラシ 専用ブラシ+入れ歯洗浄剤 歯ブラシ+歯間ブラシ
トラブル例 神経や血管の損傷(手術中)本体の破折、周囲の炎症 本体の破損や緩み、そこからくる痛み 土台の歯が虫歯や歯周病になることがある
装置の寿命 10年残存率90%以上 4〜5年 7~8年
審美性 自由に選択可能 部分入れ歯はクラスプ(金属のバネ)が目立つ 自由に選択可能
周囲の歯への影響 周囲の歯への影響はない クラスプ(金属のバネ)をかける歯に負担 健康な歯を削る必要がある
体調面のリスク 病歴によっては施術不可 特になし 特になし
10代の患者様 施術不可 施術可 施術可
転院のしやすさ クリニックによる 簡単 比較的簡単
口の機能 天然歯と同様 素材による 天然歯と同様
食事のしやすさ 天然歯と同様 咬む力が劣る 詰まりやすい

1手術の有無

入れ歯やブリッジは事前の外科的手術は必要ありません。ブリッジに関しては、失ってしまった歯の両隣にある歯を削って、橋のようにつないで歯を作る処置を行います。
インプラントは、失ってしまった歯の代わりとなるインプラント(チタン製のネジのようなもの)を歯の根っことして顎の骨に埋め込み、それに被せものをする治療方法です。インプラントの埋め込みは外科手術となります。手術の成功率は、その方の顎の骨の状態によっても変わりますが、手術自体はだいたい1~2時間で終わります。

2顎の骨の健康

インプラントの必須条件は、顎の骨の健康です。歯の根っこの代わりとなるインプラントの本体がしっかりと固定されなければ、治療の成功には程遠いからです。またインプラントを埋め込める十分な面積がなければ処置はできません。重度の歯周病や根尖病変(歯の根っこの先に膿が溜まる病気)で歯を失っている方などは、顎の骨の面積が不足している場合があるため、注意が必要です。ご相談ください。
また、入れ歯やブリッジも、顎の骨の健康状態が安定性を左右します。顎の骨の健康は、どちらにとっても重要なポイントです。

3疾患がある方の治療可否

インプラントの治療には外科手術が必須となります。そのため、急性肝炎、肝硬変、重度の肝疾患などがある方、インシュリン依存性糖尿病の方で血糖値のコントロールが悪い方、重度の心臓病、感染症をお持ちの方、重症の骨粗しょう症、循環器疾患、呼吸器系疾患、脳血管障害、代謝・内分泌疾患、神経・筋肉疾患などがある場合、インプラントは避けた方がいいでしょう。特に、急性肝炎、肝硬変、重度の肝疾患のある方は、インプラント手術を受けるのは危険です。とりわけ血液透析を受けているような方にもおすすめしません。

デンタルオフィス相模原では、患者さんにとって少しでもリスクがあると判断した場合、主治医の意見を求めておりますので、正直に持病を申告お願いします。機能性や審美性を兼ね備えたインプラントでも、命に代えられるものではありません。術中・術後の患者様の安全性を最優先するため、持病や全身状態の状況によっては違う方法をご提案することもあります。

一方、入れ歯やブリッジの場合は、金属性のバネを使用することがあるため、金属アレルギーの確認を行います。金属アレルギーや、従来の入れ歯よりも機能性や審美性を高めたいという方には、マグネットデンチャーやノンスクラプデンチャー、歯の移植などもおすすめしています。

4治療期間

インプラント治療の場合、顎の骨にネジを埋め込むインプラントは外科手術が必要です。その後、インプラント本体と顎の骨が正常に接着するまでの待機期間(およそ3〜6カ月)が必要となります。通院回数も多く、数カ月から1年ほどかけなければなりません。接着の確認後、歯の代わりとなる被せ物をして完成となります。処置を行う部位や骨の状態によっても異なりますが、全体でいえば約3カ月~1年が治療期間の目安です。

入れ歯の場合は、部分入れ歯か総入れ歯かによっても異なります、型採りを行って装着までに1~2カ月ほどかかります。 治療期間はインプラントよりも短いですが、調整やメンテナンスが必要ですので、来院回数はインプラントとそこまで変わりません。

ブリッジは、歯が抜けてしまった後、もしくは抜歯後に歯茎が治ればすぐに治療できるのが特徴です。インプラントと違い、待機時間もないため、1週間から、長くても2週間ほど、最短で2回(3日)で治療が終わるケースもあります。

5治療費用

処置にかかる費用

インプラント治療は、保険が適用されないことから、他の治療方法に比べて費用が高くなります。歯科クリニックによっても費用に差がありますが、だいたい1歯で約30~50万円ほどです。

入れ歯の場合、保険診療と自費診療のいずれかから選ぶことができます。保険診療の場合は装置1つで約5千円~1万5千円、自費診療の場合は約15~60万円です。入れ歯の材料や種類、大きさによっても異なります。

ブリッジの場合も、保険診療と自費診療のいずれかから選ぶことができます。費用を抑えたい方は保険対応内のブリッジを選びましょう。保険でカバーできる白い歯(硬質レジン前装冠)は、前から3番目(犬歯)までで、4番目からは銀歯となってしまいますが、保険診療となる分、インプラントと比べるとはるかに安く済みます。

6お手入れ方法

取り外しができないインプラントは、他の歯と同じように歯ブラシで磨きます。入れ歯は、必ず外してから清掃します。実際に汚れを自分で確認しながら、専用ブラシで磨き、入れ歯洗浄剤に浸します。力の入れすぎは禁物です。クラスプを変形させ、傷つけないよう、優しく丁寧に磨きましょう。その後、入れ歯洗浄剤を溶かした水またはぬるま湯に浸します。汚れがひどいときは、一晩つけておくと効果的です。装着前には、流水で軽く洗いましょう。
ブリッジの場合、通常の歯と同じように歯ブラシで磨きますが、ぜひ歯間ブラシなどの歯間清掃用具も取り入れてください。ポンティック(歯のない所にある人工の歯)の下は、食べかすなどが詰まっており、歯ブラシだけでは十分に清掃できません。ポンティックの下の清掃が不十分だと、虫歯や歯茎の炎症を引き起こす原因になります。

7トラブル例

インプラントの場合、手術中のトラブル(神経や血管の損傷)や、インプラント本体の破折、骨に定着しないなどのトラブルのほか、周囲の炎症、骨内の炎症、歯周病などがあげられます。インプラント治療後は自宅での丁寧な歯磨きとメンテナンスが不可欠です。これが不十分だと、歯肉とインプラントの境目から細菌が内部に侵入し、上記のような症状を引き起こします。細菌の侵食が進むと、インプラントが抜け落ちることもあります。重度によっては、インプラントを撤去しなければなりません。

入れ歯の場合、入れ歯本体の破損や緩みのほか、かみ合わせが合ってなかったりすると顎の骨などに圧がかかることで、痛みを引き起こすことがあります。その場合、調節もしくは作り直しが必要です。また、作った当初はピッタリだったはずの入れ歯が、咬みぐせや歯茎が痩せるなど口の状態が変化し、外れやすくなってしまうケースもあります。

ブリッジは使っているうちに、ブリッジを掛けている両隣の歯のうちどちらかが外れるケースも少なくありません。しかしもしブリッジが外れてしまっても、それが片方だけであれば使用感に変化がないため、気付きにくい場合があります。被せ物と土台の隙間に汚れが入り込み、知らないうちに内部で大きな虫歯ができていた、ひどい歯周病になっていたというケースも少なくないので、日頃のお手入れが大切です。

8装置の寿命

治療した部位がどれくらいもつのか、というのは患者さんにとっては気になるところだと思います。もちろん一度治療した部位が、一生問題なく使えることが一番ですが、現実的に、一度治療したら100%大丈夫という治療方法はありません。しっかりと事前に確認して、納得のいく選択肢を選んでください

インプラントは、定期的な検診やケアをきちんと行っていれば、永年的に使えます(顎骨の状態やお手入れ方法、メンテナンスによっても差があります)。インプラントの種類や保証内容もクリニックによって異なりますが、最低10年の保障がついているクリニックで施術するのがおすすめです。施術10年後の残存率は90%以上と言われています。

入れ歯の場合、調節を繰り返しも症状が改善されない場合は、作り直しをご提案することもあります。しかし顎骨の状態が大きく変わらない限りは、調整で解決できる事がほとんどです。

ブリッジは、土台となる歯に神経が残っているかどうかによってもかなり左右されます。データで言えば、施術10年後の残存率50~70%、約8年が平均寿命と言われています。

9審美性

インプラントとブリッジの審美性は、被せ物の種類によります。自費診療であれば、自由に選択できます。天然歯の色と変わらないセラミック素材を被せれば審美性は良くなり、銀歯を被せると審美性は悪くなります。インプラントの場合、歯茎の中に土台をつくり、その上に人工歯を取り付けるため、見た目上は天然歯と変わらない審美性が特徴です。現在のブリッジの色や違和感に満足されていない方は、お気軽にご相談ください。見た目もキレイで機能的なブリッジを、デンタルオフィス相模原ではご提案しております。

入れ歯の場合、保険診療内ですと使用する材質があらかじめ決められています。そのため、特に部分入れ歯の場合は、隣の歯と固定するためのクラスプ(金属のバネ)が目立ってしまうこともあります。総入れ歯の場合も、口の形、顎の形によっては、歯茎を覆う義歯床が目立ってしまう方もいます。自費診療を選択する場合は、「BPSデンチャー」などの薄くて歯茎にフィットする素材が選べます。クラスプが不要で、透明感もあるため、見た目には入れ歯とわからずどなたでも違和感なく装着できます。そのためデンタルオフィス相模原では、目立たない入れ歯をおすすめしご提案しております。

10周囲の歯への悪影響

インプラントは土台を骨に直接固定しますので、隣の歯へ負荷をかけることはありません。ただし、インプラントの土台周辺が炎症を起こしてしまうと要注意です。炎症の進行が早く、隣の歯や周辺の歯茎にも炎症が広がってしまいがちです。インプラント装着時の歯周病、歯肉炎は、通常の天然歯よりも被害が広がりやすいという傾向があります。

部分入れ歯は他の歯にクラスプ(金属のバネ)をかけて装着するため、クラスプをかける歯に負担がかかってしまいますし、どうしても咬むときに圧がかかります。クラスプが掛かった部分が磨きにくいために虫歯になりやすいというリスクもあります。自費診療の場合は、クラスプを使わず磁力のみで固定するマグネットデンチャーも選べます。このような入れ歯であれば、隣の歯に負担をかけることはありません。

ブリッジは両隣の健康な歯を削らなければならないのがデメリットでしょう。支えとなる歯の寿命を縮めると同時に、咬む刺激が伝わらないので、歯が抜けた部分の顎の骨が痩せやすい傾向にあります。ですが、きちんと定期的に診療し、メンテナンスをすれば周囲の歯の負担を最小限に抑えることができます。

11体調面のリスク

インプラントは、顎の骨に土台を埋めこむ外科手術が必要です。そのため誰でも受けられるというわけではありません。手術前に病歴の確認、口腔内の健康状態の整備が必要です。術後に体調不良を訴える方もまれにいらっしゃいます。土台がきちんと定着するかどうかを注意して観察する必要があります。
外科的手術を受けるのに不安や抵抗がある方は、入れ歯やブリッジを選択することをおすすめします。

1210代でも使用可能かどうか

10代はまだ顎が成長している途中なため、インプラントは施術できません。もし施術すれば、その後に顎が成長し大きさが変わった場合、咬み合わせがずれる可能性が高いからです。10代ではまだインプラントができないケースがほとんどです。デンタルオフィス相模原でも、おすすめしていません。

また10代であれば、インプラントもブリッジも適応できないことがあります。その場合、「歯牙移植」という方法で長期間、歯を維持する処置を行うこともあります。ケースによっては保険診療となり、3割負担の場合はで1万円ほど、自費治療の場合は5~15万円ほどかかりますが、自分の歯の神経を残ながら、しっかり咬むことができる治療法です。

入れ歯は、欠損歯の修復であれば年齢問わず施術できます。早期に抜けてしまった乳歯の場合も、入れ歯を使うケースがあるくらいです。インプラントと違い、顎が成長し、合わなくなってしまった場合でも、随時修理したり調整したりできます。

13転院のしやすさ

外観入れ歯は長年、欠損した永久歯の一般的な修復方法です。ですからよほど専門的な分野の歯科医院でなくても、一般歯科であれば入れ歯の対応が可能です。たとえば引越しをした後に、どうしても製作した歯医者を受診できなくなった場合でも、問題なく調整してもらえます。

インプラントとブリッジについては、高額な医療費になることがあるため、患者様も「このクリニックでいいのかな?」と不安になることもあるでしょう。自費診療であればなおさらです。しかし、過度に転院を繰り返すのは、おすすめできません。引っ越しや環境の変化のほか、今通ってらっしゃるクリニックへの不信感などがあったり、主治医との相性が悪い場合は、まずしっかり下調べをしてから、転院を検討することをおすすめします。

治療法に疑問を感じているけど、いきなりの転院は考えていない場合は、「セカンド・オピニオン」という方法もあります。現在の状況を他のドクターならどう考えるか、意見を聞く方法です。この場合、セカンド・オピニオンをしてもらえるかどうかの確認が必要です。

そもそも、しっかりとインプラントに対応できる歯科医院は、まだまだ多いとは言えないのが現状です。歯医者であれば、インプラントを行うための特別な許可や申請がいるわけではないのですが、高度な技術と最新の設備がなければ施術できないため、すべての歯科医院が対応できるわけではありません。さらにトラブルが起きた場合、手術した歯科医師でないと分からないこともあります。インプラントで治療中に転院する場合、インプラント本体の埋め込みからやり直すことになる可能性もあるので、十分に注意が必要です。

治療途中の引き継ぎといっても、レントゲンなどを見て一から診断になることが多いため、転院した後の治療は時間や回数も余分にかかってしまいます。いずれにせよ、転院後は最初から診察し直しになるという覚悟が必要です。

14口の機能

インプラントも入れ歯も、装置を入れることで抜けた歯を補うことができます。しかし機能としては、天然歯と変わらない生活ができるのかどうか、気になるところだと思います。

インプラントは顎の骨に埋め込む形で土台を固定し、その上に人工歯を装着しますので、口の機能を阻害するようなことはありません。

入れ歯は歯茎との接点である「義歯床」という部分で安定させます。口の中を大きく覆ってしまうので、発音しにくくなって話しづらさを感じる人もいるようです。入れ歯を使いつつ、口の機能をできるだけ保ちたい場合は、強度が大きい素材を選びましょう。入れ歯の厚みを軽減でき、その分話しにくさを緩和できます。

ブリッジは、固定式なので、入れ歯よりも安定性が高いのが特徴です。口の中の違和感も少なく、機能的にもしっかり咬むことができます。しかし、人によってはブリッジをつけたことで空気がもれてしまい、発音がしにくくなる方もいます。咬み合わせをしっかり考えた高精度な装置が、ブリッジでも入れ歯でも大切です。全身の歪みも改善され、健康維持にもつながります。

15食事のしやすさ

食事前述の通り、インプラントは口の機能を妨げることがないので、天然歯と変わらず食事も楽しめます。保険の入れ歯はどうしても厚みがあるため、口の中の大部分が義歯床で覆われることで、食感や食べ物の温度の感じ方が変わってしまうことがあります。また、咬む力も、天然歯と比べると2分の1から3分の1に落ちるため、硬い食べ物が食べにくいなど、食事の際の不便さを訴える方が少なくありません。

自費診療の入れ歯であれば、たくさんの素材から選べるため、食べにくさも軽減できます。シリコン素材で違和感の少ない素材や、義歯床に薄い金属を使って熱伝導を良くしたタイプ・カスタムオーダーメイドの精密義歯などがあります。素材を選ぶ際の参考にされてください。

ブリッジもインプラント同様、咬みやすさについては天然歯と変わりませんが、食事の際に、ブリッジ部分に詰まりやすいデメリットがあります。これは、丁寧なお手入れとメンテナンスで解決できますが、予算や何を優先されるかで、治療法を選択されるのが良いかと思います。

16腫れや痛み

次のテーマは「施術後に腫れたり、痛んだりしないのか」についてです。

インプラントは外科手術といっても腫れや痛みを感じづらい治療ではありますが、手術後はどうしても腫れや痛みが起こります。具体的な期間は個人差があるものの、通常は5~10日程度です。手術後、つまりインプラント治療後には痛み止めや抗生剤や消炎剤などの薬が処方されます。腫れや痛みが早くおさまるには口の中を常に清潔な状態に保つことが大事ですが、普段どおりの歯磨きは傷口を悪化させるため、この場合のアドバイスもきちんと受けてください。痛みや腫れが気になった時は、我慢せずに相談にいらしてください。

義歯を安定させるために健康な歯を削らなければならないブリッジ治療ですが、外科手術は必要ありません。外科手術に抵抗がある方には、ブリッジがおすすめです。また、前歯など比較的力がかからない場所では、両隣の歯を削らなくて済む「接着性ブリッジ」という方法もあります。一般的なブリッジと異なり、無理な力をかけると欠けたり割れたりしますので固いものは気を付けて食べる必要がありますが、審美性も高いので、選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。

ブリッジも入れ歯も、咬み合わせがきちんと合っていれば、腫れや痛みを感じることはありません。

17対応できる本数

永久歯は、親知らずをのぞくと上下それぞれに14本ずつあります。インプラントとブリッジ、入れ歯とそれぞれ対応できる歯の本数に違いはあるのでしょうか。

インプラントは1本から、14本入れることが可能です。しかし、現実的には歯の本数と同じ本数埋める必要はありません。むしろ数を多くすればするほど清掃性が悪くなる場合や感染リスクが高くなる恐れがあります。その方の顎の形や口腔内の状況にもよりますが、全く歯がない場合でも、6〜10本入れれば、咬み合わせを再構築することが可能です。長いインプラントを使って4本で片顎を支えるAll On Fourという手術法もあります。

ブリッジが対応できるのは、数本失った場合までです。前述の通り、周囲の健康な歯を削る必要があるため、健康な歯に大きな負担がかかります。歯を失った部分の骨がやせてしまうためです。

入れ歯が対応できるのは、数本から14本全部です。バネを装着する歯に負担がかかり、失った歯の部分の顎の骨がやせてしまう可能性がありますが、全部の歯を補う場合(総義歯)にはバネがつきません。

18保険適用の条件

インプラントはすべて自費診療になります。

ブリッジ治療で保険が適用されるためには、以下の4つの条件が必須になります。

  • 1本または連続した2本の歯
  • 前歯(1番目と2番目) ※連続して最大4本まで保険適用可
  • 支台となる歯(ブリッジを掛ける土台となる両隣の歯)に問題がないこと
  • 両隣に歯のない一番奥の歯(7番目) ※5番目、6番目を支台にして、延長ブリッジにする方法

入れ歯で保険が適用されるためには、以下の2つの素材で作った入れ歯のみになります。

レジン床義歯

従来からある一般的な入れ歯で、最も経済的です。厚みからくる違和感や熱の伝わり方からくる食感などの制約があります。

アクリショット床義

熱可塑性を持つレジン(プラスチック)が素材の入れ歯です。レジン床義歯より多少費用がかかりますが、レジン床義歯に比べて約2倍の強度があり、プラスチックアレルギーが起きにくい特長があります。