入れ歯を使わない方

デメリット保険が適応される「入れ歯」が、歯を失った際の治療法として今も一般的です。しかし中には、せっかく入れ歯を作ったのに「合わなくなったので使っていない」「違和感があるので外したまま」という方の話を聞きます。せっかく作った入れ歯を装着しないまま過ごしていると、どんなことが起こるのでしょうか。実はそこには大変な危険が潜んでいます。入れ歯を使わないと、どんな弊害が起こるのかをご説明します。

そもそも使わなくなった理由とは?

「違和感があり、最初から馴染めなかった」

口の中の感覚は、とても繊細です。少しの咬み合わせのズレも、大きな違和感に感じることがあります。特に初めての入れ歯であれば、どうしても違和感は拭えません。特に保険診療の場合は、素材も限られているため、厚みのある入れ歯となり、異物感は大きくなってしまいます。

「入れ歯を使わなくても、食べられる」

特に部分入れ歯の場合、失った歯が少数だったり、片側だけだったりすると、残った歯や反対側の歯で咬むことができるため、食事も不便に感じないという方がいらっしゃいます。特に装着時の不快感もあり、外したままでも日常生活に困らないからと、外したまま暮らしている人もいらっしゃいました。

「入れ歯を装着していると痛む」

これは入れ歯が合っていないのが原因です。合わない入れ歯をそのまま無理に使っていると、入れ歯がずれたりクラスプ(金属のバネ)が緩んだりして、口の中を傷つけてしまうこともあります。外したままの生活が続くうちに、口腔状況や顎の形が変化し、最終的には嵌らなくなったという方も居ます。

歯が抜けた場所をそのままに過ごすデメリット

デメリット入れ歯を使わなくなってしまう様々なパターンをご紹介しましたが、歯を失った状態で日常生活を過ごしていると、それがたとえ1本だろうと、口だけでなく、全身にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

虫歯や歯周病にかかりやすくなる

歯を失ったまま時間が経つと、歯の根元に隙間が生じたり、歯と歯の間が広がったりします。そこに汚れや食べかすがたまり、虫歯や歯周病を引き起こすリスクが高くなります。

歯に余分な力がかかり、健康な歯の寿命を縮める

咬むたびに、歯はその圧を全体で分散しています。分散できる本数が減れば、それだけ今残っている歯だけに余計な圧力がかかってしまうことになります。その期間が長引けば長引くだけ、健康だった歯の寿命を縮めてしまうことにもなります。

咀嚼力が低下し、身体のバランスを崩しやすくなる

歯を失うと、当然、咀嚼能力も低下します。特に奥歯を失った場合は注意が必要です。なぜなら、奥歯の咬む力は重要で、失った場合早急に入れ歯を使用しないと転倒するリスクが2.5倍高くなるというデータもあります。下顎が不安定になり、体のバランスを保てなくなるためです。特に高齢の方は、入れ歯を外したままにするのはおすすめできません。高齢になるほど歯を失う率も高くなり、転倒事故のリスクも高くなるからです。

顔のシワが増える

口元は、歯や歯茎があることでその上の皮膚にもハリが出る構造です。歯が無くなると、外から見たときにハリが無くシワになってしまうため、実年齢よりも老けてみえる原因となってしまいます。入れ歯を入れることで、見た目を若く保つことができるのです。

歯並びが変化することで、顔が左右非対称になっていく

歯を失ったままの状態が長引くと、残りの歯(特に失った歯の両隣)がその空いたスペースに寄っていく傾向があります。そして時間が経つに連れて、全体の歯並びが徐々に変化することで、だんだん左右非対称な歯並びになってしまいます。

入れ歯が入らなくなる

入れ歯が合わない、装着すると違和感や痛みがあるといって、外したままにしていると、さらに歯茎と顎がが痩せてしまい、入れ歯が入れられなくなってしまうこともあります。違和感や痛みがあるとき、装着のしにくさが改善されないときは、できるだけ早く相談し、解消しましょう。

咬み合うはずの反対の歯が伸びてくる

咬みあう相手が無くなってしまった、反対側の歯が余計に伸びてきてしまうこともあります。その結果、歯の根っこまで出てきてしまい、知覚過敏症の原因にも繋がります。歯を失ったら、その部分を1日も早く補ってあげることが大切です。

発音しづらくなる

歯を抜けたまま放置しておくと、その隙間部分から空気が漏れて、発音しづらく感じることがります。特に前歯を失ってしまった場合は、要注意です。会話のたびに空気が抜けるので、発音しづらくなることで、周囲への印象が変わることも少なくありません。

口の中を咬んで傷つけやすくなる

歯を失った部分に、頬の肉や舌が入り込みやすくなります。会話中や食事中に誤って咬んでしまうことも多くなり、できた傷から口内炎などの炎症が起こることも多くなり、また炎症を繰り返しやすくなります。

入れ歯の調整と作り替えについて

診察「今使っている入れ歯をどうしても使いたくない」という場合は、調整か作り変えを検討することになります。使いたくないからと言って決して外したままにしておくのではなく。まずは相談してみましょう

まずは調整

まずはその入れ歯を作成した歯科医院に相談しましょう。入れ歯を持参の上で、今の口の状態に合うように調整してもらいます。患者さんの口の記録や入れ歯の作成記録が残っているので、スムーズですし、何より安心です。入れ歯を少しでも外している期間があると、どうしても顎の形が変形したり、口内の環境が変化したりして。入れ歯を不快に感じたり、違和感を覚えることもあるのです。放置しておくとよりエスカレートするので、合わないと感じたら早めの受診をお勧めします

調整とは

患者さんの普段の生活をお伺いしながら。どういった不具合があるのか。どこに不都合を感じているのか。どんな違和感を持っているのかをヒアリングします。
その後、咬み合わせのチェックや口腔状況(口内炎ができていないか、歯肉炎はないか、虫歯はないかなど)を調べます。

入れ歯が強く当たっているところがあれば、削って歯茎との辺りを滑らかにしたり、隙間ができていたら材料を盛り足すなどして調整を試みます。これは保険診療で作成した入れ歯の場合です。自費診療で製作する場合は、調整方法も異なります。

調整後

調整をした後はまた違った違和感を感じることと思いますが、少なくとも1週間は様子を見てみてください。 特に隙間があった部分に床を盛り足した場合、今まで当たっていなかった部分に人工物が当たるので。違和感を感じる方が多いようです。1週間ほど様子を見ても違和感や痛みが続くようでしたら、再度歯科医院に連絡しましょう。もちろん我慢できないほどの痛みや、出血などのトラブルがある場合は、すぐに連絡して構いません。

解決しなければ作り直し

何度調整を繰り返しても違和感が解消しない場合は、入れ歯の作り替えを検討します。入れ歯を外していた期間が長いほど 口腔内の状況や顎の形が変化し合わなくなっていることがままあります。入れ歯もある程度は削ったり盛り足して調整はできますが、限界はあります。材料の性質上。強度を保つにはあまり薄くできないというのが実情です。

自費診療がおすすめ

保険診療で作った入れ歯を作り直すことになった場合、もっと自分にぴったりと合った入れ歯にしたいとお考えの場合、自費診療で入れ歯を作ることをお勧めします

メリット1 保険診療と違って素材が限定されない

保険診療内で作成する入れ歯は、使用できる素材が決められています。通例のレジンというプラスチックの素材はあまり薄く仕上げることができません。どうしても厚みが出てしまいます。エースレジン床に馴染めない方は、自費診療での素材の作り替えを検討されてみてください。好みの材料を自分で選択できます。

メリット2 入れ歯の工法も選択できる

自費診療の入れ歯は作成する固定も保険診療の入れ歯よりも精密で、たくさんの工程を必要とします。ですから仕上がりも、より患者さんそれぞれのお口にぴったりと合わせることができます。保険適用の入れ歯のような決まりごとや保証もないため、デンタルオフィス相模原では、当クリニック独自の保証内容などをしっかりとご説明いたします。

メリット3 違和感が少ない

食事も天然歯と同じように違和感なくできます。保険診療の入れ歯では感じにかかった食べ物の温かさ、冷たさなどもしっかりと感じられる素材が多く発売されています。見た目も限りなく天然歯に近い仕上がりが可能です。直前の作り直し、2回目の作り直しでしたら、咬みにくさや見た目の審美性についても解決できる自費診療の入れ歯をおすすめします。